公言、わたしの友人は神と結婚する。
彼女は恋愛体質で、本人は「体質なんだからもう仕方ない、軽いとか言わないでほしい」と言っている。確かに、体質なら仕方ない。桃アレルギーの人に桃を食べさせることなんてできない。
自分の感情を言葉ではなく、身振り手振りで表現する彼女とわたしの唯一の共通点は、二人とも普通を嫌がるところ。そして最大の相違点は、普通から逃げた方向が真逆だったところ。
なので性格も考え方も、何もかもが反対なのである。
彼女は好きな人ができると、その人の趣味嗜好の自分になりたがり自分磨きを始める。彼氏なんて要らないモードのときは、磨くのをやめ化粧も服も質素になる。
わたしは好きな人ができると、ありのままの自分を見てほしくて化粧も服も質素になる。彼氏なんて要らないモードのときは、自分だけのために納得いくまで自分を磨く。
彼女が恋をしているときわたしは恋をしていなくて、わたしが恋をしているとき彼女は恋なんてまっぴらごめんだと言っていた。ちなみに前者の時間のほうが圧倒的に長い。
そっちの方がいいんだと思う。恋をしている彼女としていないわたしは、二人とも自分磨きをしているから。二人とも可愛い方がいいじゃないか。
そんな彼女の将来の旦那さまは、神である。というより、神じゃないとわたしが許さない。神としか結婚できないようになればいい。
神の条件はいくつかある。
- 普通ならありえないくらいの大きな器をもっていること
- 花江夏樹みたいな笑いかたをすること
- まな板や包丁やコンロが必要な朝ごはんをエプロンをして作れること
- あとから起きてきた彼女に嫌味なくおはようを言えること
- それらを優しさではなくえ?逆に何で?くらいの当たり前にできていること
- 理由を聞かずに情緒不安定な彼女に寄り添えること
- その際に抱きしめるのではなく、そっと片手を繋ぐもしくは触れるくらいでいられること
- コープ共済で育った?というくらい上品さを持っていること
- わたしへの対応がわたしが納得するものであること
- なによりも、心と身体が安定していること
ほかにもある。とりあえず10個だけ、あとから追加していく予定だ。
いつか、彼女と神の家にお邪魔して、「なんであんたがこんな神みたいな人と結婚できたのか不思議で仕方ないわ、詐欺でもしたの?」と言うつもりでいる。
彼女は「そんなわけないじゃん!!!」と大きな声をあげ、神は微笑みながら空いたグラスにワインを注いでいなければならない。
ちなみにわたしは、なんか丁寧で上品な雰囲気のある人に対してなぜか、「コープ共済で育った?」と聞いてしまう。ほんとうに、なんとなく。というか、偏見。
そういうわけで、わたしの友人は何年か経ったら神の妻となります。ならせます。
神以外と判断した場合は、どんな手段を使っても別れさせます。彼女と結婚を考えている方々、対戦よろしくお願いします。
そして友人へ
掲載許可もなく勝手にあなたの話を書いてしまいごめんなさい。恋愛体質を(小さいながらも)世間に公表してしまいごめんね。でも体質だから、仕方ないよね。
さっき電話で話した通り、あなたは神と結婚するべきです。なので、神と恋愛してください。先輩・後輩だから?長年の友人だったから?付き合ったばかりだから?長く付き合ってお互いわかり合っているから?
いいえ、だめです。『神になった人』ではなく『神』と結婚するのです。よろしく