法事でした
親戚が久々に集まりました
お葬式のときはみんな学生服を着ていたのに、今日はみんなスーツでした
七回忌でした
閉眼供養というものをしました
滅多に見られるものじゃないらしいです
七年ぶりにひいおばあちゃんの骨を見ました
白くて綺麗でした
今、ひいおばあちゃんの骨は高速道路に乗って関西に向かっています
こんなことお母さんにもおばあちゃんにも誰にも言えないけれど、ひいおばあちゃんは怒ってると思います
ずっとここに居たかったはずだから
ずっとここに居たのに、人生死んでからの方が長いのに、どうして知らないところに行かなきゃならないのって言ってると思います
わたしは、ひ孫の中で一番ひいばあに会っていた自信がある
東日本大地震のとき、木造平屋に一人で住むひいばあをお母さんとうちのマンションに来てくれと迎えに行った
ひいばあは家守りたいと断ったけれど、わたしが泣いてお願いだからと頼んだ
あの日の夜、生まれて初めてひいばあの隣の布団で寝た
折り紙を教えてくれた
空襲の話をしてくれた
指を切ったとき、庭からアロエを持ってきてくれた
ナタデココを缶ごと食べさせてくれた
ヤクルトを一日に二本飲ませてくれた
靴下を編んでくれた
上履き入れを縫ってくれた
シワシワの手の甲をずっと触らせてくれた
集めていたはずのボタンをくれた
お土産の鈴のストラップを電気の紐につけてくれた
わたしの写真を携帯の待受画面にしてくれた
ひいばあはここにいるべきだ
どうしてあっちに行かなきゃならないんだ
名字というただの身体区別の記号だけで、どうして
そばにいてほしかった